【検証】人が嘔吐する場面に最も適合するオノマトペはなにか

はじまるよ

 

 

 

エントリー その1

評価 ★★☆☆☆

講評 人が嘔吐するときに流れる擬音として定番。ゆえに,それを見る者に親しみを感じさせたり,音だけで「嘔吐をしている」とオーディエンスに理解させたりすることができるなど,長年積み重ねてきた信頼性は高い。ただ,少々ありきたりであり,マンネリ感を打破しきれていないところが,上のような凡庸な評価に表れたのだろう。

 

 

 

エントリー その2

評価 ★★★☆☆

講評 吐瀉物が口から噴出するときの勢いが,促音によって表現しきれている。加えて,あ行とか行の濁音を連続で配置することで,日常会話では滅多に聞こえないような⸺音を発した者の不快感を直に感じることができる⸺不協和音を醸し出している。しかし,その音のカバーする範囲が,嘔吐の始まる箇所のみにとどまっているのが難点。

 

 

 

エントリー その3

評価 ★★★★☆

講評 促音によって射出の勢いが表現されているほか,「げろ」というひらがな2文字で吐瀉物の水っぽさを見る者に感じさせることができる。また,三点リーダや感嘆符を後に付けず,簡潔に音を終わらせることで嘔吐した人物の感情をあえて描写しない技法には,大いに注目されたい。これにより,嘔吐はその人物の意思とは無関係に起こってしまったものであると印象づけられ,その不憫さやわびしさといったものが強調される。太宰治の怪作『人間失格』では,主人公が白い雪の上に突然喀血する場面が淡々と描かれているが,それと似た情緒をこの擬音から感じ取ることができる。

 

 

 

エントリー その4

評価 ★★★☆☆

講評 情報量を絞り,たった一文字で嘔吐の音を表現せんとするこの試みは,これまでの擬音が目指した方向性とは一線を画すものであり,かなりの変化球といえよう。ただ,出だしの印象は強いが,全体的な表現力には劣る。

 

 

 

エントリー その5

評価 ★★☆☆☆

講評 あえて動作に音を付けず,嘔吐の激しさでなく儚さを強調したという点で,このオノマトペ(?)はコペルニクス的転回を体現しているといえる。シュールな間を表現したい際には有用なテクニックだが,常用にはやや耐え難いところがある。

 

 

 

エントリー その6

評価 ★★☆☆☆

講評 吐瀉物が口外に出る瞬間でなく,食道の中を這いめぐるところに着目して考案された擬音。希少性が高く,見た者にコレクター的な情動を起こさせるが,使い勝手は難しい。

 

 

 

エントリー その7

評価 ★☆☆☆☆

講評 やや単調

 

 

 

エントリー その8

評価 ★☆☆☆☆

講評 汚い

 

 

 

エントリー その9

評価 ★☆☆☆☆

講評 凝りすぎ

 

 

 

エントリー その10

評価 ★★★★★

講評 かわいい

 

 

 

結 語

最初に「ぶえ」を考えついた人は神

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★校正コメント

・エントリー その7から10→説明不足。数行は講評コメントを書くように

・エントリー その10→執筆者の主観で評価を決めていない? 客観性が足りない

・全体→イラストが使いまわしなのは印象✕ 各エントリーごとに描き直すよう美術担当に指示 ダメならばこちらまで相談

期日までに要修正 17/02/25 (校正班 山本)